パチンコ
先日、友人に誘われパチンコ屋に行ってきた。
ギャンブルは嫌いではないが、パチンコだけはどうも
相性が悪く、若いときに20回連続ボロ負けを喫し、
パチンコ屋の前を通るたびに屁をこいて唾を吐くという
人生を送ってきた。
パチンコ店に一足踏み込むとこれまたうるさいうるさい。
誘った友人はと言うと、ちゃんと教えるからと言いつつも
既に自分の世界に入り込み、台の上の数字や釘を次々と
見ていっている。
何が決め手になったのかは知らないが、一つの台に座り
お金を投入し始めた。
それを横の台に座ってぼ~っと見ていると、角刈りの若い店員が
スッと寄ってきて、
「他のお客様の迷惑になりますので、ご遊戯されない方は・・」
と囁いてきた。
ムッとしたが俺も漱石先生を投入し、ウルトラマンの台を打ち始める。
友人「おい!お前違うって、ここ!ここを狙って打つんだよ。」
大滝「…」
友人「おい!そのボタン押しちゃだめだって!店員呼び出しボタンだぞ!」
大滝「…」
友人「こら!台を叩くなって!」
大滝「…」
あっという間に漱石先生の効力もむなしく、玉が消えた。
やる事がないので、友人に目隠しをしたり、わき腹をつついたり、玉を使って
手品を見せたりしていたのだが、次第に友人も相手をしてくれなくなった。
仕方なく、店員を呼び、どの台が出るか聞いてみたが、軽蔑のまなざしが
返ってきたので、1,000円あげるから5,000円分出る台をと大人の交渉に
入るも、無線で誰かを呼ぶそぶりを見せたので、大滝沈黙。
友人はというと、既に諭吉大先生を投入する始末で、アホを見る目で
観察していたがそれすらも飽きてきた。
パチンコ屋に入るたび、沈んだ気持ちになるんだがもしかしたら
気持ちで負けていたのでは?と訳のわからない事を考え出し、
ハイテンションでパチンコしてみる事に。
おばあちゃんと30代主婦の間の席が空いていたので、漱石先生を握り締め、
そこにハイテンションで突入。
フンフンフ~ン♪(マツダ・プレマシーのCM)を歌いながら、席につき、
開始と同時に猪木ばりに「ファイ!」と掛け声。
明らかに「ヤバい奴きてもうたで…」的なオーラを左右に感じながら、
回りだす液晶画面。
「次きたら(当たったら)俺、一生結婚せんわ。」と小言を言う。ハズレ。
回りだす液晶画面。
「次きたら俺、家のテレビ捨てる。」ハズレ。
回りだす液晶画面。
「次きたら俺、ここの店員にキン肉バスター。」ハズレ。
ついには、30代の主婦の肩がひくひく動いている。
多分笑っているのだ。
俺も調子に乗り、8回目くらいで、
「次きたら俺、出た玉全部換金せんと持ち帰る」・・・・アタリ。
なんと777が揃ってしまったのだ。
人生初めての事だったので動転し、30代の主婦にどうしたらいいのか聞くと、
丁寧にも教えてくれた。それからアタリを引き続け1時間後にはなんと8箱に。
30代主婦も、すごいですねと言ってくれた。
で、すっかり俺は公約を忘れていたんだが、
「持ち帰られるんですよね?」とニヤニヤしながら囁く主婦。
う~ん。。。店員を呼ぶ。
出た玉を持ち帰りたいと伝えると、困りますよお客様と言われた。
んじゃ、1箱あげると主婦に言うと、また店員がそれはダメと言う。
もうどうしようもなく店員に換金を告げると、顔は笑っているものの、
やっぱりな!って感じの主婦。
これでは俺のダンディズムがズタボロなので、玉を30玉出して、
店員に飲み物を頼み、「262番台の方へ・・」とバーみたいなことをして
パチンコ店を後にした。
パチンコ店は、ハイテンションで行くと勝てると分った。
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